三浦綾子『塩狩峠』のロケ地はどこ?映画版の舞台と和寒町の史跡を徹底解説

北海道ロケ地ガイド

三浦綾子さんの不朽の名作『塩狩峠』は、他者の命を救うために自らを犠牲にした一人の鉄道職員の生き方を描いた物語です。この小説の舞台となったのは、北海道の旭川と名寄の間にある塩狩峠ですが、1973年に公開された映画『塩狩峠』の撮影は、別の場所で行われたことが確認されています。

この記事では、「塩狩峠」の映画版(1973年公開)で実際に使用されたロケ地と、小説のモデルとなった史実、そして現在も多くの人が訪れる和寒町のゆかりの地について、詳しくご紹介します。

 

映画『塩狩峠』(1973年)のロケ地:三菱大夕張鉄道

三浦綾子さんの小説を原作とした映画『塩狩峠』は、1973年12月15日に松竹・ワールドワイドの制作で公開されました。この映画の撮影は、原作の舞台である宗谷本線の塩狩峠付近ではなく、北海道夕張市を走っていた三菱大夕張鉄道の路線を中心に実施されました。

映画制作にあたり、当時の三菱大夕張鉄道では、1973年(昭和48年)の3月と夏期に撮影が行われています。

  • 使用された具体的な駅: 遠幌駅、大夕張駅、大夕張炭山駅などがロケ地として利用されました。
  • 鉄道車両: 撮影では、9600形蒸気機関車のNo.3とNo.4が、デフ(除煙板)を取り外した姿で、3桁のナンバープレートを装着して使用された記録があります。また、ポスターにはNo.7の蒸気機関車が登場しています。
  • その他のシーン: 鉄道官舎や教会(鹿ノ谷)のシーンなど、ほぼ全編にわたる多くの場面が夕張で撮影されたとされています。

映画ならではの映像表現により、主演の中野誠也さんが演じる主人公・永野信夫の心情がより深く描かれました。

小説『塩狩峠』の舞台:北海道和寒町の塩狩峠

映画のロケ地は夕張でしたが、小説の舞台であり、実際に事故が起きた史実の場所は、北海道上川郡和寒町の塩狩峠です。

物語のモデルとなった実話の概要

小説の主人公である永野信夫は、明治42年(1909年)2月28日に塩狩峠で発生した鉄道事故で、自らの命を犠牲にして乗客の命を救った実在の鉄道職員、長野政雄(ながの まさお)氏をモデルとしています。長野氏は当時29歳で、敬虔なクリスチャンであったと伝えられています。

この事故が起きた当時、峠を走っていた列車は、北海道天塩(てしお)の国と石狩の国の国境にあたる急勾配を走行中でした。この急勾配は天塩川水系と石狩川水系の分水界上でもあり、かつては急な坂道のため、列車の前後に機関車をつける必要があったほどです。

事故の詳細は、長野氏が結納のために列車に乗っていた際に、列車の連結器が突然外れ、最後尾の客車が暴走を始めたというものです。長野氏は、この暴走を止めるために自ら線路上に身を投げ出し、多くの乗客の命を救い殉職しました。

現在の塩狩峠:聖地巡礼スポットの見どころ

長野政雄殉職の地 顕彰碑とJR塩狩駅

和寒町の塩狩駅構内には、長野政雄氏の功績を称える『長野政雄殉職の地』顕彰碑が建立されています。この碑は、暴走する客車を身を挺して止めた長野氏の行為を伝えるものです。

実際に塩狩峠を走る特急列車の中には塩狩駅を通過するものの、運行状況によっては速度を落とし、静かにホームを通過することがあるようです。その際、乗客の窓から標識や顕彰碑が見えることもあります。

塩狩駅はJR宗谷本線上に位置する無人駅で、和寒町市街地から南に約8キロメートルの場所にあります。

塩狩峠記念館(三浦綾子旧宅)

小説『塩狩峠』を記念して、塩狩駅のすぐ近くに塩狩峠記念館があります。

  • 施設の特徴: この記念館は、作者である三浦綾子さんがかつて旭川で暮らしていた旧宅(雑貨店)を復元したものです。
  • 展示内容: 館内には、主人公のモデルである長野政雄氏の遺品をはじめ、三浦綾子さんの直筆原稿や写真など、物語の背景を伝える貴重な資料が展示されています。訪れることで、三浦文学が生まれた当時の夫妻の様子や人柄に触れることができるでしょう。

【施設情報(目安)】

項目 詳細
開館期間 4月1日~11月30日(予定)。※冬期間は2月28日(長野氏殉職の日)のみ特別開館。
休館日 毎週月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)。
開館時間 4月〜9月:午前10時〜午後4時30分 / 10月〜11月:午前10時〜午後3時30分。
入館料 大人 300円、中高生 200円、小学生以下 無料(団体割引あり)。
アクセス JR宗谷本線「塩狩駅」より徒歩約2分。

わっさむ塩狩峠公園と文学碑

塩狩峠記念館の周辺は、わっさむ塩狩峠公園として整備されています。この公園は自然豊かで、春には1000本以上の桜が植えられた「塩狩峠一目千本桜」が5月下旬に見頃を迎える名所とされています。

また、2022年10月には、小説『塩狩峠』の感動的な一節を引用した文学碑が新たに建立され、物語が今も語り継がれていることを示しています。

塩狩峠へのアクセスと訪問時の注意点

塩狩峠は、JR宗谷本線上の主要な観光地ではあるものの、アクセスには事前の計画が必要になる場合があります。

  • 列車でのアクセス: 最寄りはJR宗谷本線の塩狩駅です。旭川駅から塩狩駅まではJR宗谷本線を利用して約50分が目安です。札幌駅からは特急列車を乗り継いで約2時間30分程度かかります。
  • 注意点: 塩狩駅は無人駅であり、宗谷本線は運行本数が限られています。そのため、訪問の際は必ず事前に時刻表を確認し、帰りの列車に乗り遅れないよう計画を立てることが重要です。

和寒町では、塩狩駅を「大切な文化遺産であり観光資源」として残していくため、駅の存続維持を決めており、費用のための募金活動なども行われています。

映画版『塩狩峠』をもう一度見たい方へ。HDリマスター版のDVDボックスが楽天で購入できます。三浦綾子原作の感動的な物語を、美しい映像で再び堪能してみませんか?

①DVDボックス:

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【中古】 DVD 塩狩峠 HDリマスター版
価格:10,171円(税込、送料無料) (2025/11/6時点)

楽天で購入

 

 

また、原作小説『塩狩峠』をまだ読んでいない方は、この機会にぜひ手に取ってみてください。物語の深い感動と、北海道の自然が織りなす世界観を味わえます。

②原作:

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

塩狩峠
価格:1,760円(税込、送料別) (2025/11/6時点)

楽天で購入

 

 

 

まとめ

三浦綾子さんの小説『塩狩峠』は、モデルとなった史実の地である北海道和寒町の塩狩峠と、1973年公開の映画版のロケ地となった夕張市の三菱大夕張鉄道という、二つの異なる場所に関係しています。

映画のロケ地であった夕張の鉄道は今や姿を変えていますが、和寒町の塩狩峠周辺では、長野政雄氏の尊い行為を伝える顕彰碑や、三浦文学の資料を展示する塩狩峠記念館を訪れることができます。

塩狩峠を訪れることは、単に文学作品の舞台を見るだけでなく、長野氏の生涯が私たちに投げかける「無償の愛」や「自己犠牲」といった普遍的な問いを、静かな峠の風景の中で見つめ直す機会になるでしょう。旅を計画される際は、時間に余裕をもって、その地に刻まれた歴史の重みを感じてみてください。

ロケ地めぐりで北海道に行きたくなった方へ。
なかなか現地まで行けない時は、北海道グルメのお取り寄せで気分だけ味わうのもおすすめです。


北海道グルメのお取り寄せ(楽天市場)

タイトルとURLをコピーしました