北海道を舞台にした名作映画のロケ地を巡る旅は、多くの旅人の心を惹きつけます。特に、小説家・浅田次郎氏の短編を原作とし、高倉健さんが主演を務めた映画『鉄道員(ぽっぽや)』幾寅駅(いくとらえき)に焦点を当て、その名シーンを再現できるスポットをご紹介します。
幾寅駅は、根室本線の駅として1902年(明治35年)に開業しましたが、2024年4月1日をもって富良野〜新得間の廃線に伴い、鉄道駅としての役目を終えました。しかし、駅舎や関連施設は映画の世界観そのままに保存されており、まるで時が止まったかのようなノスタルジックな雰囲気が魅力です。
今回は、映画ファンなら一度は訪れたい幾寅駅のスポットを巡りながら、その場所の魅力と、旅の計画に役立つ情報をお届けします。(注:この検索キーワードには夕張や増毛のロケ地も含まれていますが、本記事では特に情報が豊富な幾寅駅に特化して深くご紹介します。)
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幾寅駅:映画『鉄道員(ぽっぽや)』の舞台裏
幾寅駅(いくとらえき)は、北海道空知郡南富良野町字幾寅に位置していました。映画『鉄道員』では、主人公の佐藤乙松(高倉健さん)が駅長を務める、廃線寸前の石炭輸送路線「幌舞線」の終着駅「幌舞駅」として登場します。
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【フォトスポット1】映画の顔、幌舞駅舎の外観
幾寅駅の木造駅舎は、映画のロケのために、より古さが強調された雰囲気へと改装されました。この駅舎こそが、長年鉄道員一筋に生きてきた乙松の人生の舞台であり、ファンにとって最も重要なフォトスポットと言えるでしょう。
特に目を引くのは、駅舎の正面玄関の上に今も掲げられている「幌舞」の看板です。現実の駅名である「幾寅」ではなく、映画の中の「幌舞」の看板をバックに写真を撮れば、乙松が列車を待ち、雪の中を歩く姿が目に浮かぶかもしれません。また、駅舎の倉庫への渡り廊下のあたりには、小さな「幾寅駅」の看板も確認できるとされています。
ロケの際は、終着駅に見せるための模擬の腕木式信号機や車止めが線路の上に設置され、周囲のコンクリート電柱を木製に変えるといった、細やかな工夫が施されました。この屋外のオープンセットの製作費は、当時1億円だったとされています。
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【フォトスポット2】主人公の背中を感じる待合室
駅舎の待合室も、映画のファンにとって見逃せない場所です。実際に駅として使われていた待合室の内部には、映画の撮影に関連する写真や小道具、出演者の親筆サインなどが数多く展示されています。
待合室は、乙松が孤独な日々を送りながらも仕事に身を捧げた、物語の核となる場所です。ここで展示されている資料を通じて、撮影当時の様子やキャストの熱意を感じられるでしょう。
また、無人駅となった後も、幾寅駅の事務室は冬の除雪要員の事務所として使われていた時期がありました。待合室と本来の事務室、それぞれの空間を見比べるのも面白いかもしれません。
【フォトスポット3】物語を彩ったロケーションセット
幾寅駅前には、映画のロケーションセットの一部が残されています。その一つが、駅前で長く食堂を営んでいた加藤ムネ(奈良岡朋子さん)の「だるま食堂」の建物です。
だるま食堂は、乙松の同僚である杉浦仙次(小林稔侍さん)が天下りの話を乙松に持ちかけたり、炭鉱夫の吉岡肇(志村けんさん)が酔っぱらって歌ったり といった、人間模様が繰り広げられた重要な舞台でした。このセットが今も残されているため、映画の温かいシーンや切ないシーンを思い浮かべながら、その前で写真を撮ることができます。
ただし、だるま食堂は既に閉店しているとされているため(注:已关闭)、内部の見学や飲食はできない点にはご注意ください。
【フォトスポット4】「ぽっぽや号」の車体保存展示
幾寅駅の駅前広場には、映画に登場したディーゼルカーの車体の一部が保存されています。これは、映画で「キハ12型23号車」として使われたキハ40形764号気動車(通称「ぽっぽや号」)の前頭部です。
この車両は、2005年(平成17年)に廃車された後に設置され、ファンを迎え入れています。実際に撮影に使用された車両の一部を間近で見られるこのスポットは、鉄道ファンだけでなく、映画ファンにとっても感動的な場所となるでしょう。
幾寅駅訪問の魅力と注意点
幾寅駅は、廃駅後も映画のロケ地として南富良野町の観光資源として活用され続けることが期待されています。町役場も、廃駅後も駅舎や元のロケ地を刷新して保存し、施設を活性化させる方向で検討を進めているとされています。
旅の魅力
- 映画の世界観に没入できる:駅舎や保存車両、ロケセットがそのまま残されているため、まるで映画の中にいるような写真撮影ができるでしょう。
- 交通の拠点化:幾寅駅は、道の駅「南ふらの」と非常に近接しています。道の駅「南ふらの」は、根室本線の廃止に伴い、周辺都市(帯広や旭川など)との交通接駁を強化するためのバスターミナルとしての役割を実質的に担うようになっており、アクセスが以前より便利になる可能性があると言えるでしょう。道の駅は2025年4月26日にリニューアルオープンしました。
訪問時の注意点
- 廃線によるアクセス:幾寅駅は2024年4月1日に廃駅となり、鉄道でのアクセスはできなくなりました。2017年3月28日以降は、東鹿越駅〜新得駅間で列車代行バスが運行されていましたが、富良野〜新得間の廃止に伴い、バスの運行体系も変更されています。訪問時は、南富良野町営循環バスや占冠村営バス、あるいは道の駅を経由する路線バス(ノースライナーの増便、デマンドバス新設など)の最新の運行状況を事前に確認することをおすすめします。
- 駅舎の利用状況:幾寅駅は簡易委託も廃止され、2003年(平成15年)には完全に無人駅となっています。建物の管理状況や開館時間については、事前に情報収集をすることが大切です。
幾寅駅(幌舞駅)の場所
幾寅駅は、北海道空知郡南富良野町字幾寅に位置しています。
地理座標(旧幾寅駅): 北緯43度9分41.67秒、東経142度34分9.98秒に位置しています。
道の駅 南ふらの情報: 道の駅「南ふらの」の所在地は、北海道空知郡南富良野町字幾寅687-1です。旧幾寅駅はこの道の駅の周辺にあります。道の駅は国道38号に面しており、車でのアクセスが便利です。
幾寅駅は、鉄道の駅としては歴史に幕を下ろしましたが、映画『鉄道員(ぽっぽや)』の聖地として、これからも多くの人々の思い出を運び続けることでしょう。雪に覆われた季節も、緑が美しい季節も、この地を訪れる旅は、人生の大切な何かを教えてくれるような、静かで心に響く体験になるかもしれません。ぜひ、情感豊かな「幌舞駅」で、自分だけの一枚を撮ってみてください。
『鉄道員(ぽっぽや)』を何度でも見返したい方へ
幌舞駅に刻まれた時間と、健さんの瞳の奥の余白まで。冬の情景を、何度でも盤で。
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