北海道の南富良野町に位置する幾寅駅は、高倉健さん主演の名作映画『鉄道員(ぽっぽや)』の舞台、「幌舞駅」として広く知られる聖地です。映画の設定通り、この駅は2024年3月31日をもって現実にもJR根室本線の一部区間が廃線となり、鉄道駅としての役目を終えました。
しかし、地元の方々の熱い思いによって駅舎やロケセットは観光資源として大切に保存されており、今も多くの映画ファンを温かく迎えています。
この記事では、「鉄道員」の世界観に深く浸れる幾寅駅の展示コーナーの見どころと、年間を通して特に注目したいイベント情報、そして訪問する際に知っておきたい実用的な情報について詳しくご紹介します。
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映画『鉄道員(ぽっぽや)』の世界に浸るロケーション記念展示
幾寅駅の最も重要な見どころは、駅舎内にある「鉄道員(ぽっぽや)ロケーション記念展示コーナー」です。かつての駅事務室を利用して整備されたこの資料館は、無料で入場できます。
展示コーナーでは、映画の感動が蘇る貴重な展示物の数々を見学できます。
- 高倉健さん着用の衣装や小道具:主人公の乙松駅長を演じた高倉健さんが実際に着用した制服、コート、ブーツ、制帽といった衣装や、懐中時計などが展示されています。
- 映画の小道具と写真:撮影で使われた架空の駅名「幌舞駅」が書かれた行先標(サボ)をはじめとする小道具も展示されています。壁には写真が飾られ、映画のダイジェスト映像が常時放映されており、在りし日の健さんの姿を偲びながら、物語の世界に深く浸ることができます。
- サインや軌跡:高倉健さんの直筆サインや、唯一映画出演を果たした志村けんさんの炭鉱夫役の軌跡を辿る写真パネルも展示の見どころの一つです。
資料館の見学時間は午前9時から午後5時までとされていますが、駅舎自体は無人ながらそれ以外の時間も立ち入りは可能とされています。
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廃線後も残る、ノスタルジー溢れるロケセット
幾寅駅の魅力は駅舎内だけにとどまりません。駅前には、劇中に登場したロケセットが当時の姿のまま保存されており、まるで映画のワンシーンに入り込んだような感覚を味わえるとされています。
- だるま食堂とひらた理容店:駅前には「だるま食堂」や「ひらた理容店」といった建物が保存されており、地元住民の強い熱意によって撤去されずに残されました。
- 保存車両(ぽっぽや号):映画の中で「キハ12 23」として登場した気動車(実際の車番はキハ40 764)の前頭部が、駅前にカットモデルとして保存されています。この車両は映画撮影後に通常の普通列車としても運行されていた経歴を持っています。車内には主要キャストのサイン色紙が飾られており、中に入って見学することが可能です。
これらのロケセットは一年中残されていますが、冬場は積雪の深さによっては移動が困難になる可能性があるため、訪問の際は天候や路面状況に十分な注意が必要です。
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幾寅駅(幌舞駅)の冬を彩る恒例イベント「アイスキャンドルナイト」
幾寅駅で開催される年間イベントの中で、特にファンから注目を集めるのが冬の「幾寅駅アイスキャンドルナイト」です。このイベントでは、廃線となった幾寅駅の周辺(駅前、ホーム、線路)が、アイスキャンドルの幻想的な灯りに包まれ、美しく蘇ります。
- 開催時期の傾向:例年、12月下旬頃に開催される傾向が見られます。例えば、2024年の開催は12月20日(金)と21日(土)の2日間でした。
- 見どころ:アイスキャンドルによる幻想的な雰囲気の中で、最終日には寒中花火が夜空に打ち上がります。
- 特別対応:開催期間中は、駅舎内の見学時間が通常より延長され、19時まで見学が可能となる場合があります。
- 周辺イベント:幾寅駅のイベントのほかにも、近隣の「かなやま湖」でも大規模なアイスキャンドルナイトが開催される計画があり、南富良野町の冬の観光を彩っています。
このイベント期間に合わせて、近隣の宿泊施設では幾寅駅までの無料送迎を含むキャンドルナイト宿泊プランが用意されることもありますので、冬の訪問を検討される方は事前に確認してみると良いでしょう。
幾寅駅(幌舞駅)を訪れる際の注意点とアクセス
幾寅駅は2024年春に鉄道駅としての役目を終えたため、訪問の際にはアクセス方法や周辺の施設利用について、いくつか注意しておきたい点があります。
廃線後のアクセス方法
鉄道が廃止された現在、幾寅駅への主なアクセス手段は車(レンタカー)または路線バスとなります。
- 車でのアクセス:時間を気にせず観光を楽しみたい方に便利です。札幌方面からは道東自動車道経由でトマムICから向かうルートが一般的で、約2時間15分から2時間45分が目安とされています。富良野からは国道38号線を南下し、約45分で到着できるとされています。
- 公共交通機関:JR廃止に伴い、富良野駅からの「ふらのバス西達布線」が最寄りの「道の駅 南ふらの」まで延伸・増便されています。また、旭川・帯広方面からは予約制の都市間バス「ノースライナー」が「道の駅 南ふらの」に停車します。幾寅駅へは道の駅から徒歩圏内ですが、事前にバスの運行本数と時刻を必ず確認することが推奨されます。
駐車場とトイレについて
幾寅駅には専用駐車場の明確な表記はありませんが、駅舎横に駐車スペースがあるようです。ただし、現在は代行バスや町営バスが出入りするため、駅舎の正面など交通の妨げになる場所への駐車は避けるよう配慮が求められます。
また、駅舎内にはトイレが設置されていますが、古い様式であり、冬場は水道管凍結のリスクもあることから、利用は推奨されていません。清潔な水洗トイレを利用する場合は、駅のすぐ隣にある「南ふらの情報プラザ」(8:30~17:00)または「道の駅 南ふらの」(24時間利用可能)の施設を利用することをおすすめします。
聖地を巡る際のマナー
幾寅駅は、幾寅婦人会など地元の方々のボランティアによる清掃や手入れによって、今も感動的な雰囲気を保っている場所です。
- 保存への配慮:駅長室の机に飾られた生花など、地元の方々の「おもてなしの心」で維持されている展示物やロケセットを大切に見学しましょう。
- 静かな地域への配慮:年間を通じて観光客が訪れますが、幾寅駅があるのは静かな地域です。周囲の住民の生活に十分配慮し、節度ある行動を心がけることが大切です。
まとめ
映画『鉄道員(ぽっぽや)』のロケ地である幾寅駅(幌舞駅)は、廃線という物語と現実が重なる運命をたどった場所ですが、地元の人々の温かい想いが、その世界観を今も色濃く残してくれています。駅舎内の貴重な展示物や、雪深い冬に幻想的な光景を生み出す「アイスキャンドルナイト」など、年間を通して訪れる人々の心に響く魅力が溢れています。
交通手段は以前と変わりましたが、事前の準備をしっかり行えば、車でもバスでもスムーズな旅が可能です。雄大な北海道の自然の中で、高倉健さんが演じた不器用ながらも実直な鉄道員の生き様を静かに感じられる場所で、心に残る素敵な時間をお過ごしください。
『鉄道員(ぽっぽや)』を何度でも見返したい方へ
幌舞駅に刻まれた時間と、健さんの瞳の奥の余白まで。冬の情景を、何度でも盤で。
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