2018年に公開された映画『羊と鋼の森』は、2016年に本屋大賞を受賞した宮下奈都さんの小説を映像化した作品です。ピアノの調律という奥深い世界に魅せられ、成長していく青年・外村直樹(山﨑賢人)の物語は、そのほとんどが雄大な自然に囲まれた北海道旭川市とその近郊で撮影されました。
映画に登場する美しい風景や歴史ある建物の数々は、主人公の心の機微を映し出す重要な舞台となっています。ここでは、外村が調律師としての道を歩み始めた旭川とその周辺のロケ地を詳しくご紹介します。
▶ 旭川ゆかりのロケ地や文学作品の舞台に興味がある方へ
物語の始まりと旭川のシンボルを巡る
主人公の外村が調律師として働くことになる「江藤楽器」は、旭川のまち並みの中にあります。旭川中心部には、作中の重要なシーンに使われたロケ地が点在しています。
外村が最初に降り立った駅:JR近文駅
外村が就職のために旭川へ降り立った駅として登場するのが、JR近文駅です。1911年(明治44年)に開業したこの駅は、現在こそ無人駅ですが、100年以上の歴史を感じさせるレトロな風情が魅力です。映画では、冬の厳しい寒さの中のシーンで使われました。古い待合室の建物もそのまま残っているようです。
北海道三大名橋の一つ:旭橋
旭川のシンボルとして親しまれているのが、北海道三大名橋の一つにも数えられる旭橋です。この橋の上を通る車中で、外村は先輩調律師の柳(鈴木亮平)から励ましの言葉をかけられるシーンがありました。橋の下では、毎年冬まつりや夏の花火大会が行われており、旭川の移り変わりを見守ってきた橋とも言えるでしょう。
先輩調律師との重要なシーン:星野リゾート OMO7 旭川
外村が柳から一人で直帰するように告げられる重要なシーンのロケ地は、当時旭川グランドホテルとして営業していた建物でした。撮影に使われたのは1階のフロントロビーで、グランドピアノが置かれていた場所は、現在は宿泊客向けのフリーラウンジとなっています。
かつての楽器店の面影:江藤楽器店 外観
外村が就職した江藤楽器店の建物として使用されたのは、北海道信用保証協会の隣にあるアンティークな雰囲気を持つ建物です。橋本光二郎監督も、この建物が映画の世界観の根底をなす場所として非常に印象的だったと語っています。現在は空き家とされていますが、映画の雰囲気がそのまま残されている様子を見ることができます。
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音楽と出会いを結ぶ施設
主人公の転機となった体育館:旭川市立春光台中学校
外村が調律師を目指すきっかけとなる重要なシーンは、旭川市立春光台中学校の体育館で撮影されました。この体育館で、外村はピアノと出会い、調律師・板鳥(三浦友和)と巡り合いました。撮影当時、主演の山﨑賢人さんが実際にピアノを調律し、卒業式にサプライズ登場するという心温まるエピソードもあります。学校施設ですので、見学時は行事や安全に配慮しましょう。
音楽の殿堂:大雪クリスタルホール
音楽堂、国際会議場、博物館からなる複合施設である大雪クリスタルホールもロケ地の一つです。外村が先輩の柳に心の内を吐露するシーンは、駐車場からホールへと続くプロムナード(小道)で撮影されました。この小道に植えられているオンコの木に赤い実がなかったため、グーズベリーを植えて撮影したというエピソードもあります。(住所:旭川市神楽3条7丁目)
濱野との出会いの場所:ライブハウス カジノドライブ
濱野(仲里依紗)が登場するライブシーンの一部は、旭川市内のライブハウスCASINO DRIVE(カジノドライブ)で撮影されました。ここでは柳がドラムを叩くシーンも撮られています。(住所:旭川市7条通7丁目32)
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郊外の自然と物語の深みに触れる場所
先輩夫婦の結婚式:鷹栖神社
先輩調律師の柳と妻となる濱野が結婚式を挙げるシーンは、鷹栖町の鷹栖神社で撮影されました。社務所の玄関には、出演者や監督のサインが展示されています。(住所:北海道旭川市末広8条3丁目783番地の2)
姉妹ピアニストの生活:東川町
- 小西健二音楽堂:佐倉姉妹の自宅として撮影。調律シーンもここで行われました。
- グリーンヴィレッジ:旭岳を望む住宅街で、姉妹の家の外観として使用。
- 東川町役場裏:由仁が外村を見つけるシーンのロケ地。
ほかにも旧 岩島邸などが登場。静かな町並みが物語に深みを添えています。ただし、一般住宅地の撮影地は訪問マナーに十分注意が必要です。
旭川の雄大な森:21世紀の森
映画の重要な要素である「森」のシーンの一部は、旭川市の21世紀の森で撮影されました。「真白い雪の世界、樹齢を重ねた樹木のある森」という監督のイメージにぴったりの場所として選ばれました。
ロケ地巡りの魅力と注意点
旭川のロケ地は、車で約40分ほどで主要スポットを巡ることができます。隣町の東川町も20分程度で回れる範囲です。山﨑賢人さんや鈴木亮平さんが絶賛した地元グルメ(ラーメン、ジンギスカン、旭山動物園など)も合わせて楽しむと、より旅の充実感が増すでしょう。
ただし、学校や住宅地などは見学制限があるため、マナーを守り静かに訪れましょう。撮影当時と現在では改装されている施設もあります(例:星野リゾート OMO7 旭川)ので、最新情報の確認をおすすめします。
まとめ:旭川の森と音が紡ぐ物語
映画『羊と鋼の森』は、北海道旭川の自然と街並みを背景に、調律師としての成長と心の響きを描いた作品です。雪と木の香り、ピアノの音色が一体となった映像は、まるで森の呼吸を感じさせます。
近文駅や旭橋、鷹栖神社、東川町の住宅地など、実際のロケ地を巡ることで、外村の見つめた「音の世界」に触れられるでしょう。映画の余韻とともに、旭川の自然の中で静かな調和を感じてみてください。
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