1995年の公開から長い年月を経てもなお、国内外で多くのファンに愛され続けている岩井俊二監督の映画『Love Letter』。雪に包まれた小樽の美しい風景と、「お元気ですか?」という切ない問いかけは、観る人の心に残り続けています。
この物語には実在するモデルがいるのか、そしてあのノスタルジックな風景はどこにあるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。本記事では、映画の世界観を彩る「実在モデル」の有無や、物語の舞台となったロケ地の現在について、考察を交えてご紹介します。
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物語の「モデル」と作品の背景
映画『Love Letter』は、亡くなった婚約者と同姓同名の女性との不思議な文通を通して描かれる純愛の物語です。中山美穂さんが「渡辺博子」と「藤井樹(女)」の一人二役を演じたことでも話題になりました。
実在の人物モデルはいるのか?
現時点での資料やインタビュー等において、特定の「実在する人物」をそのままモデルにしたという明確な記述は確認されていません。この作品は、岩井俊二監督によるオリジナルの長編映画であり、フィクションとして構築された世界です。しかし、この映画の重要なテーマの一つである「そっくりであること」や「一人二役」という仕掛けは、単なる話題作りではなく、映画のテーマの根幹に関わる要素であると考察されています。
「小樽」という街がもたらした必然性
登場人物のモデルはフィクションですが、この映画のもう一人の主役とも言えるのが「小樽の街」です。坂道が多く、歴史的な建造物が立ち並ぶ小樽の風景は、映画の映像美を支える重要な要素となりました。岩井監督はインタビューで、小樽の雪がもたらした影響や、撮影時のエピソードについて語ることがあり、この土地ならではの空気が作品の質感を決定づけたといえるでしょう。
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聖地・小樽に残るロケ地と現在の姿
映画の舞台となった小樽には、今も当時の面影を残す場所が点在しています。ファンにとっては「聖地」とも呼べる主要なスポットを見ていきましょう。
樹(女)が勤めていた図書館
藤井樹(女)が働いていた図書館のロケ地として知られるのが、「旧日本郵船小樽支店」です。重厚な石造りの外観と、趣のある内部の雰囲気は映画の世界そのものだと評価されています。この建物は国の重要文化財に指定されており、近世ヨーロッパ復興様式の建築としての価値も高い場所です。ただし、保存修理工事などのために休館している時期もあるため、見学を希望される際は事前に公開状況を確認することをおすすめします。
運命のすれ違いを生んだ交差点
物語の序盤、神戸へ帰る渡辺博子と、手紙を投函した藤井樹(女)が偶然すれ違う印象的なシーン。この撮影が行われたのは、小樽中心部にある「色内(いろない)交差点」とされています。かつて「小樽のウォール街」と呼ばれたこのエリアは、歴史を感じさせる銀行建築などが多く残っており、映画のノスタルジックな雰囲気を今に伝えています。なお、撮影で使われた丸いポストは、このシーンのために特別に設置されたものだったようです。
映画冒頭の雪原
映画の冒頭、博子が雪の中で息を止め、その後雪原を歩いていく美しいシーンは、「小樽天狗山」のスキー場で撮影されたといわれています。天狗山は小樽市街や海を一望できるビュースポットとしても知られ、その夜景は「北海道三大夜景」の一つに数えられることもあるようです。冬にはスキー場として賑わいますが、映画のファンの間では、冒頭シーンを追体験できる場所として親しまれています。
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失われた風景と残された記憶
ロケ地の中には、残念ながら当時の姿を見ることができなくなった場所もあります。
焼失した「樹の家」
藤井樹(女)が家族と暮らしていた洋風の邸宅は、小樽市銭函(ぜになこ)エリアにあった歴史的建造物(旧坂別邸、あるいは旧寿原邸とも呼ばれる建物)が使用されていました。この建物は映画の雰囲気を決定づける重要な場所でしたが、2007年の火災により焼失してしまいました。
しかし、映画のラストシーンに関わるエピソードとして、庭にあった「樹の木(白樺)」は火災の後も焼け跡に残ったという話が伝えられています。建物は失われてしまいましたが、映画の映像の中にその美しい姿は永遠に保存されています。
映画のマジック:小樽で撮影された「神戸」
『Love Letter』は神戸と小樽を舞台にした物語ですが、実は「神戸」の設定とされているシーンの一部も、小樽市内で撮影されていたといわれています。
ガラス工房のシーン
博子の恋人である秋葉が働く神戸のガラス工房は、実際には小樽にある「ザ・グラス・スタジオ・イン・オタル」などが使用されたとされています。また、ガラス工房から夜景を見下ろすシーンなども、小樽市内の展望台で撮影されたという考察があり、映画ならではの巧みなロケーション構成が見て取れます。
まとめ
映画『Love Letter』のモデルとなった特定の人物は確認されていませんが、小樽という街そのものが、物語の情緒を形作る重要なモデルであったことは間違いありません。
図書館として登場した「旧日本郵船小樽支店」や、すれ違いの舞台となった「色内交差点」など、小樽の街角には今も映画の空気が漂っています。一方で、樹の家のように失われてしまった風景もありますが、それらは作品の中で色褪せることなく生き続けています。
映画を見返してから小樽の街を歩けば、ふとした瞬間に映画の世界に迷い込んだような、不思議な感覚を味わえるかもしれません。機会があれば、雪の季節に訪れてみてはいかがでしょうか。
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