ピアノの音色とともに広がる、北海道の深い森の香り。2016年に本屋大賞を受賞した宮下奈都さんの小説『羊と鋼の森』は、ピアノの調律に魅せられた青年・外村が、迷いながらも職人として成長していく姿を描いた物語です。山﨑賢人さん主演で映画化された際、その舞台の多くとなったのが北海道旭川市とその近郊でした。
映画に流れる静謐な時間や、美しい風景を肌で感じたい。そんな方のために、主人公・外村の足跡を辿りながら、旭川周辺のロケ地を1日で静かに巡るモデルコースをご紹介します。
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午前:物語の始まりとレトロな駅舎を訪ねて
旅の始まりは、外村が調律師への道を歩むために降り立った場所からスタートしましょう。
まず訪れたいのは、JR旭川駅の隣に位置するJR近文駅です。1911年に開業した100年以上の歴史を持つ無人駅で、映画では冬の厳しい寒さの中、外村が就職のために降り立つシーンで使用されました。古い待合室の建物が今も残り、時が止まったかのようなレトロな風情が漂っています。
次に、外村の人生を変えるきっかけとなった旭川市立春光台中学校へ向かいます。外村が通う高校の体育館という設定で撮影が行われ、ここで彼は調律師の板鳥と出会い、ピアノの奥深さに魅了されました。ただし、現在も生徒が通う学校施設ですので、見学の際は敷地内に入らず、校門の外から静かに雰囲気を味わうなど、十分な配慮を忘れないようにしましょう。
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昼:旭川のシンボルを渡り音楽の殿堂へ
ランチを楽しんだ後は、旭川のまちの象徴的な風景を巡ります。
北海道三大名橋の一つである旭橋は、車中で先輩調律師の柳(鈴木亮平)が外村を励ますシーンで登場しました。重厚な鉄格子のアーチが美しいこの橋は、旭川の移り変わりを長年見守ってきた存在です。橋を渡りながら、外村が抱いたであろう不安や期待に思いを馳せてみるのも良いかもしれません。
続いて、音楽堂や博物館が併設された複合施設大雪クリスタルホールへ。駐車場からホールへと続くプロムナード(小道)は、外村が柳に自分の心の内を吐露する重要なシーンの舞台です。撮影は6月に行われましたが、小道にあるオンコの木に赤い実がなかったため、グーズベリーを植えて撮影したというエピソードも残っています。
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午後:洗練されたホテルのラウンジで一息
午後の休憩には、星野リゾート OMO7 旭川がおすすめです。ここは、外村が柳から「一人で直帰するように」と告げられるシーンのロケ地となりました。撮影当時は旭川グランドホテルとして営業しており、フロントロビーが撮影に使われました。
かつてグランドピアノが置かれていた場所は、現在は宿泊客向けのフリーラウンジになっていますが、洗練された空間の中に映画の面影を感じることができます。地元の利用者も多いこのホテルで、静かな旅のひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
夕方:静かな神社で結ぶ旅の終わり
旅の締めくくりには、少し足を伸ばして鷹栖神社を訪れます。ここは、先輩の柳と幼なじみの濱野(仲里依紗)の結婚式シーンが撮影された場所です。縁結びの神様としても知られており、市民に親しまれている心落ち着くスポットです。
社務所には、映画の監督やキャストのサインが飾られていることもあります。今日一日巡ってきたロケ地の風景を思い返しながら、静かに参拝することで、より深い余韻に浸ることができるでしょう。
ロケ地巡りの魅力と楽しむための注意点
旭川市内の主要なスポットは車で約40分から1時間ほどで巡ることができるため、1日あれば十分に映画の世界観に浸ることが可能です。実際に訪れた方々の間では、レトロな建物の美しさや、映画そのままの静かな雰囲気に癒やされたという傾向が見受けられます。
巡る際の注意点として、以下のポイントを心がけましょう。
• 学校や私有地(旧香月食堂など)は立ち入り禁止の場所が多いため、必ず敷地外から見学すること。
• 撮影当時から施設の名称や内装が変更されている場合があるため、最新の情報を確認して訪れること。
• 周辺住民の方々の迷惑にならないよう、静かに散策を楽しむこと。
映画の中では、ピアノという「森」を整える職人の日常が丁寧に描かれています。ロケ地を巡ることで、目に見える風景だけでなく、風の音や空気の匂いといった五感を通じた体験ができるはずです。
冬の厳しい寒さや、初夏の澄んだ青空。季節ごとに表情を変える旭川の景色は、映画を観たときとはまた違う、新しい感動を届けてくれるかもしれません。外村が音の向こう側に景色を見たように、あなたもこの旅の途中で、自分だけの特別な風景に出会えますように。
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