映画『海炭市叙景』の舞台・函館へ。聖地巡礼とあわせて巡る周辺観光ガイド

映画『海炭市叙景』の舞台・函館へ。聖地巡礼とあわせて巡る周辺観光ガイド 函館ロケ地ガイド

函館出身の作家・佐藤泰志の小説を原作とし、2010年に公開された映画『海炭市叙景』。架空の地方都市「海炭市」を舞台に、そこ生きる人々の葛藤や希望を描いたこの作品は、冬の函館の厳しくも美しい姿を切り取っています。

観光都市として華やかなイメージが強い函館ですが、この映画ではその裏側にある生活の匂いや、重厚な空気感が印象的です。今回は、映画の世界観を追体験できるロケ地(聖地)と、その周辺で立ち寄りたい観光スポットをご紹介します。

映画の余韻に浸りながら、いつもとは少し違う函館の表情を探しに行ってみませんか。

 

物語が交差する象徴的な場所

映画の中で、登場人物たちの人生がふと重なり合う象徴的なシーン。その舞台となった場所は、函館観光の中心地にさりげなく存在しています。

十字街電停

物語の中で、主要な登場人物たちが路面電車ですれ違ったり、乗り降りしたりする重要な場面に使われたのが「十字街(じゅうじがい)」電停です。観光客でにぎわうベイエリアや元町エリアへのアクセス拠点でもありますが、映画では人々の人生が交錯する交差点のような役割を果たしています。レトロな路面電車が走る風景を眺めながら、彼らの行き先に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

静けさが漂う「あの坂」

函館といえば「八幡坂」のような海を見下ろす美しい坂が有名ですが、映画に登場する坂は少し趣が異なります。作中の終盤、登場人物が息を切らして登っていく坂は、観光地化された華やかな場所ではなく、生活感のある静かな坂道で撮影されました。ロープウェイ乗り場の近くにありながらも、観光客向けの店舗が並ぶ通りとは対照的な、少し寂しげな風情が残る場所といわれています。
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海炭市の「日常」を感じるスポット

映画のリアリティを支えているのは、函館市民の日常が垣間見える場所です。

函館朝市

立ち退きを拒む老婆・トキが、ござを敷いて漬物を売っていた市場のモデルは、函館駅前の「函館朝市」です。現在では多くの観光客で賑わい、海産物店が所狭しと並ぶ活気あるスポットですが、映画の中では日々の糧を得るための切実な場所として描かれています。一部では「観光客向けで価格が高め」といった声も聞かれますが、路地裏には昔ながらの商いを感じさせる風景も残っています。早朝の冷気の中で、映画のワンシーンを探してみるのも良いでしょう。

住吉漁港

大晦日の夜、家族を待つシーンなどが撮影されたのが住吉漁港です。函館山の南側に位置し、観光地というよりは地元の漁師たちの生活の場といった雰囲気が漂います。華やかな夜景とは異なる、静かな海辺の空気に触れることができます。

函館山ロープウェイ

映画の中で初日の出を見るシーンや、登場人物が働く場所として登場します。函館山からの夜景は「100万ドルの夜景」として有名ですが、映画では冬の厳しい寒さや、そこにある静寂が強調されています。夜景鑑賞の際は、夏場であっても羽織るものを持参するなど、防寒対策をしっかりとしていくことをおすすめします。

 

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坂道や港町、住宅街など“名もなき日常”の風景を巡る旅は、移動の段取りが肝です。函館ロケ地を効率よく回るなら、まずは航空券+ホテルをまとめて調べる方が多いようです。

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作品の世界により深く浸るために

ロケ地巡りの合間に立ち寄ることで、作品への理解がより深まるスポットもあります。

函館市文学館

原作者である佐藤泰志に関する展示コーナーがあり、彼が小説の構想を練る際に描いた手書きの地図などを見ることができます。小説の中で設定された「海炭市」の地理と、実際の函館の街並みを照らし合わせることで、ロケ地巡りがより味わい深いものになるでしょう。

舶来居酒屋 杉の子

映画のファンなら一度は訪れてみたいのが、老舗のバー「杉の子」です。こちらのお店では、映画をモチーフにしたオリジナルカクテル「海炭市叙景」を楽しむことができるといわれています。落ち着いた雰囲気の中でグラスを傾ければ、旅の夜がより思い出深いものになるかもしれません。

函館プラザホテル

映画の出演者が宿泊した部屋と間取りが似ているとされるホテルです。ベッドと壁の隙間が狭く、独特な配置になっている部屋があるといわれており、映画の現場の空気感を少しだけ肌で感じられるかもしれません。

聖地巡礼のポイントと注意点

季節と服装

映画は冬の函館の厳しさをリアルに描いています。同じような雰囲気を味わいたい場合は冬の訪問が適していますが、北海道の冬は想像以上に冷え込みます。路面の凍結などにも十分注意し、歩きやすい靴と暖かい服装で出かけることが大切です。

マナーを守って

ロケ地の中には、一般の住宅やその周辺が含まれる場合があります。特にアパートなどの居住スペース周辺は、住民の方々の迷惑にならないよう、場所の特定や無断撮影は避けるなど配慮が必要です。

まとめ

『海炭市叙景』のロケ地を巡る旅は、観光ガイドに載っているきらびやかな函館とはまた違った、街の素顔に出会う時間となるでしょう。

路面電車が軋む音や、市場のざわめき、そして坂道から見上げる空の色。そうした何気ない風景の中に、映画の登場人物たちが生きた証を感じられるかもしれません。ぜひ、あなただけの「海炭市」を探しに、函館の街をゆっくりと歩いてみてください。

 

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