1999年にドリームキャスト専用ソフトとして発売され、いまなお根強いファンに愛され続けている『北へ。White Illumination』。単なる恋愛アドベンチャーゲームの枠を超え、「トラベルコミュニケーションゲーム」として北海道の魅力を発信した本作は、当時の実際の風景や店舗が実名で登場することでも話題となりました。
発売から20年以上が経過した現在、作中の舞台である「聖地」はどうなっているのでしょうか。実在モデルとなった場所や、当時の面影を辿るための考察をまとめました。
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物語の象徴「ホワイトイルミネーション」と札幌エリア
本作のサブタイトルにもなっている「ホワイトイルミネーション」は、札幌の冬を彩る実在のイベントです。
大通公園のイルミネーション
物語のクライマックスで主人公が告白を試みる重要な場所として、大通公園が登場します。実際の「さっぽろホワイトイルミネーション」は、毎年11月下旬から冬期にかけて開催され、幻想的な光景が広がります。ゲーム内ではロマンチックな伝説が語られますが、現実では「カップルで行くと別れる」というジンクスが囁かれることもあるなど、フィクションと現実で少し異なる評判があるのも興味深い点といえるでしょう。
変貌を遂げた札幌駅
主人公が降り立つ「札幌駅」ですが、作中の駅舎と現在の駅舎は外観が大きく異なるといわれています。ゲームが発売された1999年頃は、ちょうど旧駅舎から現在の駅ビルへと移り変わる過渡期にあたっていました。そのため、作中の背景には、当時の「建て替え前の駅舎」の面影が残されており、現在では見ることのできない貴重な記録となっています。また、作中に登場する本郷新・作の彫刻「牧歌」は、設置場所こそ変わりましたが、現在も札幌駅南口で見ることができるようです。
ヒロインたちの生活圏
メインヒロインである春野琴梨の自宅周辺は、地下鉄南北線の「南平岸駅」周辺がモデルとされています。また、医学生である椎名薫の勤務先は「北海大学付属病院」として登場しますが、これは北海道大学病院をイメージしていると考えられます。
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異国情緒あふれる小樽エリアの舞台
ロシアからの留学生、ターニャ・リピンスキーとの出会いの場である小樽も、本作を語る上で欠かせないエリアです。
小樽運河とガラス工芸館
ターニャが働くガラス工房のモデルとなったのは、小樽運河沿いに実在した「小樽運河工藝館」といわれています。レンガ造りの建物と運河の組み合わせは、ゲーム内の美しいビジュアルそのままの雰囲気を感じさせます。ただし、20年以上の歳月の中で店舗の入れ替わりや閉業があったという報告も見られるため、訪問の際は事前の確認が必要でしょう。
旭展望台
ターニャが夕焼けを眺めていた場所として知られるのが「旭展望台」です。小樽駅からは距離があり、坂道も続くため、徒歩でのアクセスはなかなかハードな道のりといえます。作中のターニャがここへ通っていたことを考えると、彼女の健脚ぶりに驚かされるファンもいるようです。標高が高すぎない分、市街地を間近に感じる絶景スポットとして親しまれています。
広大な大地を感じるその他のエリア
札幌・小樽以外にも、北海道ならではの雄大な景色がゲームを彩っています。
美瑛の丘とラベンダー
愛田めぐみのルートで登場するのは、美しい丘陵地帯が広がる美瑛です。作中では、北海道らしいラベンダー畑や牧場の風景が描かれています。特定の施設というよりは、美瑛全体ののどかな風景そのものがモデルになっていると考えられます。
ススキノの賑わい
札幌の歓楽街ススキノも、川原鮎の実家である寿司店の所在地として登場します。また、かつての「札幌そごう」が、現在は「ビックカメラ」に変わっているなど、街の看板や建物からも時代の移ろいを感じ取ることができるでしょう。
20年の時を超えた「聖地巡礼」の楽しみ方
『北へ。White Illumination』は、制作スタッフが「ガイドブックのようなゲームを作りたい」という意図を持っていたこともあり、現実世界と地続きのような感覚を味わえるのが特徴です。
しかし、発売から長い時間が経過しているため、ゲーム内に登場した店舗が現在は存在しないケースも少なくありません。例えば、作中の喫茶店などは移転や閉店をしている可能性があります。そのため、現在の聖地巡礼は、ゲームと同じ景色を探す「答え合わせ」というよりも、20年前の北海道の風景を懐かしみながら、変化した街並みそのものを楽しむ旅となるでしょう。
まとめ
『北へ。White Illumination』の舞台は、当時の北海道の空気をそのままパッケージしたような、色褪せない魅力を持っています。札幌駅や小樽運河など、改装や変化を経た場所もありますが、ふとした瞬間にゲームの中の彼女たちが生きていた景色と重なることがあるかもしれません。かつてゲームをプレイして北海道に憧れた方も、これから北の大地を訪れる方も、思い出の場所を巡りながら、自分だけの「北へ。」の旅を楽しんでみてはいかがのしょうか。
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