吉村昭氏の小説『羆嵐(ひぐまあらし)』や、それを原作としたテレビドラマ、ラジオドラマなどで知られる「三毛別羆事件」。大正時代に北海道で発生した日本獣害史上最悪とされるこの悲劇は、多くの人々の心に強烈な印象を残してきました。小説やドラマのモデルとなった現地を訪れ、その空気感を肌で感じたいと考える方は少なくありません。
この記事では、『羆嵐』の聖地巡礼として北海道苫前町の「三毛別羆事件復元地」を訪れる際のポイントや注意点、あわせて立ち寄りたい周辺の観光スポットについて紹介します。
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圧倒的な臨場感がある「三毛別羆事件復元地」
旅のメインとなるのは、実際に事件が発生した三毛別六線沢(現在の三渓地区)にある「三毛別羆事件復元地」です。ここは当時の開拓農家の家屋が再現されており、悲劇の舞台を追体験できる場所として整備されています。
巨大なヒグマ像と復元住居
現地に到着してまず目を引くのは、事件を起こしたヒグマと同等の大きさで作られたという像でしょう。体長2.7m、体重340kgともいわれる巨大なその姿は、当時の人々が直面した恐怖を想像させるのに十分な迫力があります。
また、被害に遭った「明景家」をモデルにした復元住居があり、当時の生活の様子や、ヒグマが侵入した痕跡などが再現されています。敷地内には「くまの穴」や「ヒグマのひっかき傷」といった展示も見られ、小説の世界に入り込んだような感覚になるかもしれません。
訪問時の重要な注意点
この復元地は、深い森に囲まれた場所に位置しており、実際にヒグマが出没する可能性があるエリアとされています。訪問の際は、以下の点に十分注意してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ヒグマ対策 | 音の出るもの(鈴など)を携帯し、人の存在を知らせる工夫が必要といわれています。 |
| 通信環境と設備 | 現地は携帯電話の電波が圏外となる場合があり、トイレも設置されていないため、事前に済ませておくことが推奨されます。 |
| アクセス | 復元地へ続く道道1049号(通称ベアーロード)は、終点付近で砂利道となります。 |
| 冬期閉鎖 | 例年5月上旬から10月末までの開設とされており、冬期間は積雪のため閉鎖されます。雪解けの状況によってはオープンが遅れることもあるため、事前に確認するとよいでしょう。 |
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苫前町や周辺エリアの聖地巡礼は移動距離が長くなりやすいので、まずは航空券+ホテルをまとめて探す方が多いようです。
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『羆嵐』の世界を深く知る「苫前町郷土資料館」
復元地とあわせて訪れたいのが、町中心部にある「苫前町郷土資料館」です。ここでは事件に関するより詳細な資料や、実際のハンターに関する展示を見ることができます。
貴重な展示資料
資料館には、事件の生存者の証言をもとに描かれた図や、吉村昭氏が執筆した『羆嵐』の自筆原稿などが展示されています。また、体重500kgという巨大なヒグマ「北海太郎」や、別の巨大グマ「渓谷の次郎」の剥製が展示されており、その大きさには圧倒されるという声も聞かれます。
ドラマ版の鑑賞
館内では、三國連太郎氏が主演を務めたテレビドラマ版『羆嵐』の短縮版映像を視聴することができるとされています。小説を読んだ後に映像で確認することで、当時の状況や物語への理解がより深まるでしょう。建物自体も昭和初期に建てられた旧役場庁舎を利用しており、レトロで趣のある雰囲気が漂っています。
聖地巡礼の合間に立ち寄りたい周辺スポット
緊張感のある聖地巡礼の後は、苫前町の豊かな自然や食でリラックスするのもおすすめです。
道の駅「風Wとままえ」と温泉
「とままえ温泉ふわっと」は、道の駅を兼ねた温泉宿泊施設です。日本海に浮かぶ天売島・焼尻島を望む露天風呂があり、塩分を含んだお湯は保温性が高く、体が温まりやすいといわれています。レストラン「風夢」では、甘エビやタコなどの地元の食材を使った料理や、ミニ丼と麺類を選べる「ふわっとセット」などが提供されており、ランチ休憩に適しているでしょう。
ユニークな「とままえだベアー」
苫前町のカントリーサインや看板には、可愛らしいヒグマのキャラクターが描かれていることがありますが、国道沿いには「とままえだベアー」と呼ばれる巨大なヒグマのモニュメントが設置されています。復元地の恐ろしいヒグマ像とは異なり、こちらは観光客を出迎えるユーモラスな存在として親しまれているようです。
壮大な風車群
苫前町は「風のまち」としても知られており、上平地区などには多数の風力発電用風車が立ち並んでいます。牧草地の中で巨大な白い風車が回る風景は、北海道らしい雄大さを感じさせる撮影スポットとして人気があるようです。
近隣エリアの関連スポット
時間に余裕があれば、少し足を延ばして近隣の町を訪れるのも良いでしょう。
小平町:旧花田家番屋
苫前町の南に位置する小平町には、国指定重要文化財である「旧花田家番屋」があります。かつてニシン漁で栄えた時代の巨大な木造建築で、当時の繁栄ぶりを今に伝えています。道の駅「おびら鰊番屋」が併設されており、地元の特産品を探すこともできます。
まとめ
『羆嵐』の舞台である苫前町への旅は、単なる観光以上に、自然の厳しさや先人たちの開拓の歴史に触れる貴重な機会となるでしょう。復元地では当時の恐怖を想像し、資料館では事実に基づいた記録を学ぶことができます。
訪問の際は、ヒグマへの警戒やマナーを守りつつ、安全に配慮して行動することが大切です。物語の余韻に浸りながら、北海道の雄大な風景や地元の食もあわせて楽しんでみてはいかがでしょうか。
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