ドラマ『風のガーデン』の舞台裏を巡る旅|実在モデルとロケ地の魅力を徹底解説

ドラマ『風のガーデン』の舞台裏を巡る旅|実在モデルとロケ地の魅力を徹底解説 ドラマロケ地

2008年に放送された倉本聰脚本のドラマ『風のガーデン』は、北海道・富良野の大自然を背景に、家族の再生と終末期医療という重厚なテーマを描き、多くの視聴者の涙を誘いました。放送から年月が経った今でも、その美しい世界観に惹かれるファンは少なくありません。

物語の中心となるあの美しいイングリッシュガーデンは実在するのか、個性的な登場人物たちにモデルはいるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。今回は、ドラマの舞台となったガーデンの誕生秘話や、登場人物の実在モデルについての考察、そして現在も訪れることができるロケ地の魅力についてご紹介します。

ドラマのために2年かけて育てられた「本物の庭」

ドラマのタイトルにもなっている「風のガーデン」は、セットとして一時的に作られたものではなく、撮影のために長い時間をかけて大地に根付かせた「本物の庭」です。

舞台となったのは、北海道富良野市にある新富良野プリンスホテルの敷地内です。もともとゴルフ場だった場所を森に還し、その一部を庭にするという構想から始まりました。脚本家の倉本聰氏が、旭川の実家で英国風庭園「上野ファーム」を手掛けていたガーデナーの上野砂由紀(うえの さゆき)さんにデザインを依頼したことがきっかけで、このプロジェクトは動き出しました。

特筆すべきは、ドラマの撮影が始まる2年も前から庭づくりがスタートしていたという点です。北海道の気候に合った宿根草を中心に、当初は約365品種、約2万株もの花々が植えられました。時間をかけて植物を育て、庭が成熟した状態でドラマの収録が行われたため、画面を通しても植物の生命力や季節の移ろいが鮮やかに伝わってくるのです。現在では450品種以上の花々が咲き誇る場所へと成長しています。

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登場人物のモデルとキャストの秘話

ドラマに登場する魅力的なキャラクターたちには、実在の人物や俳優自身の背景が色濃く反映されているといわれています。

孫娘「ルイ」のモデルとされるガーデナー

黒木メイサさんが演じた孫娘・白鳥ルイは、ガーデナーとして祖父を支える役どころでした。このルイのモデルといわれているのが、庭のデザインを担当した上野砂由紀さんです。実際に上野さんは北海道旭川市出身で、英国での滞在経験を経て、北海道ならではの庭づくり「北海道ガーデン」を提唱・実践しているガーデナーです。ドラマの中でルイが植物に向ける真摯な眼差しは、上野さんの姿と重なる部分があるのかもしれません。

名優・緒形拳さんの遺作として

このドラマは、俳優・緒形拳さんの遺作となったことでも知られています。緒形さんが演じたのは、富良野で訪問診療を行う老医師・白鳥貞三でした。

実は撮影当時、緒形さんは重い病を患っていましたが、その事実は周囲には伏せられていたといいます。劇中で貞三先生が末期がんの患者や息子(中井貴一さん演じる白鳥貞美)と向き合い、命の尊厳について語る姿は、緒形さん自身の最晩年の境地とも重なり、鬼気迫るリアリティを生み出しました。クランクアップの数日後に彼が旅立ったことは、この作品に特別な意味を与えています。

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脚本家・倉本聰が紡いだ「花言葉」の世界

『風のガーデン』のもう一つの主役とも言えるのが、劇中に登場するユニークな「花言葉」です。これらは一般的な花言葉ではなく、倉本聰氏がドラマのために考案したオリジナルのものです。

劇中では、神木隆之介さん演じる孫の岳(がく)が、祖父である貞三先生が考えた花言葉を無垢な心で語るシーンが印象的でした。「口が悪い為に売れ残っている美少女の合コン(ジギタリス・パープレア)」や「生まれたばかりの孫の耳たぶ(ラムズイヤー)」など、ユーモアと慈愛に満ちた言葉の数々は、植物への親しみを深めてくれます。これらの花言葉は、実際にガーデンを散策する際にも楽しむことができるでしょう。

現在も楽しめるロケ地「風のガーデン」の見どころ

ドラマの撮影終了後も、「風のガーデン」は一般公開されており、北海道を代表する観光スポットの一つとなっています。訪れる際は、以下のポイントに注目するとより楽しめるでしょう。

ドラマの空気が残る「グリーンハウス」

庭のシンボルともいえる白い壁の建物「グリーンハウス」は、ドラマのセットとして使われたものがそのまま残されています。内部には撮影当時の暖炉やピアノ、家具などが保存されており、まるで白鳥家の住人がつい先ほどまでそこにいたかのような生活感を感じることができます。

季節ごとに表情を変える植栽

宿根草をメインとした庭は、訪れる季節によって全く異なる表情を見せます。春のスノードロップやクロッカスに始まり、初夏のバラ、秋の紅葉やグラス類まで、いつ訪れても「その時だけの風景」に出会えるのが魅力です。特にバラは、原種やオールドローズを中心に約70種類が植えられており、野趣あふれる姿を楽しむことができます。

実際に触れて楽しむ

一般的に植物園などでは植物に触れることは禁止されていることが多いですが、このガーデンでは、植物の感触や香り五感で楽しむことが推奨されているという声もあります。ラムズイヤーの柔らかな手触りなどを実際に確かめてみてはいかがでしょうか。

まとめ

ドラマ『風のガーデン』の舞台は、単なる撮影セットを超え、北海道の自然と人の営みが調和した「生きた庭」として今も成長を続けています。ドラマのファンにとっては名シーンを追体験できる聖地であり、ガーデニングファンにとっては北海道ならではの植栽を学べる貴重な場所といえるでしょう。

富良野の風を感じながら、美しい花々とドラマの余韻に浸るひとときは、訪れる人の心を優しく癒やしてくれるはずです。

基本情報

風のガーデン

項目 内容
場所 北海道富良野市中御料(新富良野プリンスホテル敷地内)
開園期間 例年4月下旬~10月中旬(冬期は休園)
料金 大人1,000円など(送迎車料金含む)
アクセス JR富良野駅から車で約10分

※営業時間や料金の詳細は、訪問前に公式サイト等で最新情報をご確認ください。

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